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優位に立って使わない

アサーティブネスの定義の中に、「相手の権利を侵害しない限りにおいて、自分の権利を主張する」というものがあります。

「相手の権利を侵害しないで」ということは、一体どういうことなのだろうと、長い間考えていました。
アン・ディクソンの著書、『Woman at Work(邦題:『大事なことを思い通りに伝える会話術』角川書店)』には、

「他人を批判するには、相手が自分と対等だという感覚が必要だ」、と書かれてあります。

アサーティブに相手と向き合うということは、自分が相手に対して「優位に立つ」ことでは決してありません。相手をやっつけるのでも、自分の正しさを証明することでも、はたまた自分に相手を「正す」「資格」があると思い込むことでもないのです。

相手に対して、こんな言い訳をしてはいませんか。
次のような言い訳で、自分が黙っていることを選択していたとしたら、自分は相手と対等になっていないのだと、気づいて下さい。

「こんなことを言うと相手が怒るかも」
「上司にこんなこと言えない」
「私が間違っているかも」
「どうせ聞いてもらえないんだから、言ってもムダ」
これは、相手が優位に立っていることです。

反対に、
「あの人もどうしようもなかったのよ」
「誰だって完璧じゃないし」
「あの人はまだ若い/もう高齢/障害を持っているから」
「こんなことを言うと相手が傷つくかも」
これは、相手に対して自分が優位に立っていることです。

こんな風に考えてみると、実は「対等でない」ことは本当にたくさんあるということが見えてきます。

自分が相手に対してすでに優位に立っているとすれば(例:上司と部下、大人と子ども、男と女など)、その事実をしっかりと認識した上で、相手と対等になろうと努力してみること。
相手に対して優位に立つために、アサーティブネスを使わないということ。

それは大変重要であると同時に、自分自身に常に問いかける必要があるとつくづく感じています。
by assertivejapan | 2005-08-26 12:12 | 講座のこと
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